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息がぜえぜえする


息を吸ったり吐いたりする際に、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえる状態は、医学的には喘鳴(ぜんめい)と呼ばれ、気道が狭くなっているサインです。
この症状は、特に夜間や運動時に起こると非常に不安を感じるものであり、多くの方がその原因を知りたいと考えています。
この「呼吸がゼーゼーする」という症状は、喘息などの比較的よく見られる病気から、より注意が必要な肺の病気に至るまで、さまざまな原因が考えられます。

呼吸がゼーゼーする

「ゼーゼー」という呼吸音、すなわち喘鳴は、気道が何らかの原因で狭くなっているときに発生する特有の音です。
呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえる状態は、一般的に「喘鳴(ぜんめい)」と呼ばれます。
この音は、主に気管支や細気管支といった空気の通り道が、炎症や痙攣、分泌物(痰)などによって狭くなることで発生します。
狭くなった気道を空気が無理に通過しようとするときに、笛を吹いたときのような振動が起こり、その結果として特有の音が生じるのです。
喘鳴は、息を吐くとき(呼気)に特に強く聞こえることが多いですが、気道の狭窄がひどくなると、息を吸うとき(吸気)にも聞こえるようになることがあります。
この音の聞こえ方や程度は、気道の狭窄の度合いを示す重要な指標となります。

喘鳴は、しばしば「息苦しさ」や「呼吸困難」といった症状を伴います。
特に、安静にしているときではなく、運動をした後や夜間、あるいは冷たい空気や熱い空気に触れた時、天気の変わり目、花粉症の時期などに症状が悪化する傾向があります。
磐田市にお住まいの方で、このような症状に悩まされている方は、症状が出始めた時期や、どのような状況で悪化するかといった情報を詳しく把握しておくことが、後の診断において非常に役立ちます。
喘鳴は、気道の病気だけでなく、心臓の病気などが原因で起こる場合もあるため、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。
喘鳴が聞こえるということは、呼吸の「効率」が悪くなっている状態を示しており、体が必要とする酸素を十分に取り込めなくなるリスクを伴います。
特に小児では、気道が大人に比べて細いため、わずかな炎症や分泌物でも強い喘鳴や呼吸困難を起こしやすいのが特徴です。
また、喘鳴は、耳で聞こえるものだけでなく、聴診器を使わないと確認できない微かなものまで幅広く存在します。自己判断せずに、正確な診断と適切な治療を受けるためにも、呼吸器科を専門とするおざわ・診療所へご相談ください。

呼吸がゼーゼーする原因

呼吸がゼーゼーする(喘鳴)原因は多岐にわたりますが、主に気管支の炎症や収縮、あるいは気道の異物によって引き起こされます。
ここでは、喘鳴が発生する主なメカニズムと、その引き金となる具体的な原因について解説します。

気管支の収縮・痙攣によるもの

喘鳴の最も代表的な原因の一つは、気管支の収縮や痙攣です。
これは、主に気管支喘息の患者さんに見られるもので、アレルギー反応やウイルス感染、寒冷刺激などによって気管支を取り囲む平滑筋が過敏に収縮し、気道が狭くなることで発生します。
気管支喘息は、慢性的な炎症が背景にあり、気道が常に過敏な状態になっているため、ちょっとした刺激でも発作的に喘鳴や咳、息苦しさを引き起こします。特に夜間や明け方に症状が出やすいのが特徴です。
院長である私自身も、子供の頃に喘息症状があったため、自分の意志とは裏腹にむせこむように咳が出てしまうという、気道過敏性の亢進している得も言われぬ不快感を自覚しておりました。プールの後はよく咳が出ていたため、今思えばプールに使用されている塩素消毒薬が原因であったのであろうと思っております。
適切な吸入薬や内服薬で炎症をコントロールすることが、症状の改善には不可欠となります。

炎症と分泌物(痰)によるもの

気管支や肺に炎症が起こる疾患も、喘鳴の一般的な原因です。
急性・慢性気管支炎や肺炎などの感染症にかかると、気道の内側が腫れ上がって狭くなる(浮腫)とともに、多量の粘液(痰)が分泌されます。
この痰が気道をさらに塞ぐことや、空気の流れによって振動することで「ゼーゼー」という音が発生します。特に、喫煙者や高齢者に見られる慢性閉塞性肺疾患(COPD)も、慢性の炎症と痰の増加によって気道が狭くなり、喘鳴を引き起こすことがあります。
これらの疾患は、炎症の治療と、痰を排出しやすくする治療が必要です。

その他の物理的な原因

気道に異物が詰まることや、腫瘍などの病変が気管支を外側から圧迫したり内側から塞いだりすることも、喘鳴の重要な原因となり得ます。
特に小児の場合、ピーナッツやおもちゃなどの小さな異物を誤嚥することで、突然の喘鳴や咳が出ることがあります。
また、まれに肺がんなどの腫瘍が気管支内に発生し、空気の通り道を狭くすることで喘鳴を引き起こすこともあります。

呼吸がゼーゼーするときに考えられる病気・疾患

「呼吸がゼーゼーする」という症状は、複数の疾患が原因で起こり得ます。

気管支喘息

気管支喘息は、喘鳴の最も代表的な原因疾患です。
アレルギー体質や、ウイルス感染、大気汚染などが関与し、気道が慢性的に炎症を起こし(常に気管支の炎症が起きている)、過敏になっています。

そのため、わずかな刺激に対しても気管支が収縮し、激しい喘鳴や咳、呼吸困難を繰り返します。
大人になってから発症する「成人喘息」も少なくありません。
喘息の治療は、発作を予防するための長期管理薬(主に吸入ステロイド薬)と、発作時に気道を広げるための薬を組み合わせて行うことが基本です。患者さんの状態によっては、内服薬も追加で使用することがあります。また、ひどい喘息発作の場合には、ステロイドの点滴投与を行うこともあります。
重要なことは、症状が良くなっても吸入治療は継続する必要があるという正しい認識をもつことです。上でも触れていますが、気管支喘息の方は、常に気管支で炎症が起きている状態です。それによって、気道のリモデリングというものが起きます。わかりやすく言えば、傷がついて、それが治るということが24時間365日続くことによって、気道の壁が分厚くなり、気管支の内腔がどんどん細くなっていってしまうということです。このリモデリングが進むと、薬をいくら使おうとも元の気管支に戻すことはできません。したがって、吸入ステロイド薬を症状が落ち着いている時でも使用し、気道リモデリングが起きないようにすることが非常に大切です。
おざわ・診療所では、患者さんの状態に合わせた適切な吸入指導を行っています。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

長期間の喫煙が主な原因となる慢性閉塞性肺疾患(COPD)も、喘鳴を引き起こす重要な疾患です。
COPDは、気管支の炎症と肺胞の破壊が進行し、一度壊れた肺の機能は元に戻らない不可逆的な病気です。
初期には労作時の息切れや慢性的な咳・痰が主ですが、進行すると気道が狭くなり、喘鳴が見られるようになります。
COPDの治療は、禁煙が最も重要であり、その上で吸入気管支拡張薬などを用いて症状を緩和し、病気の進行を遅らせることを目指します。
また、COPDの急性増悪を防ぐことも重要となります。感染症などをきっかけとしてCOPDが悪化し、入院治療が必要となることがあります。このような、増悪イベントが発生するたびに呼吸機能は低下していき、場合によっては在宅酸素療法が必要になることもあり、いずれは呼吸不全で死に至ります。この急性増悪を防ぐためにも、吸入治療が重要となります。吸入薬での治療開始が早ければ早いほど、呼吸機能の温存の可能性が高くなりますが、いまだCOPDの認知度はそれほど高くないことや、喫煙者の治療に対する意欲の低さなどによって、多くのCOPD患者さんは放置されているのが現状です。

その他の呼吸器感染症

風邪などの急性気管支炎細気管支炎(主に小児)、そして肺炎などの呼吸器感染症も、炎症による気道の腫れや、多量の痰によって一時的に喘鳴を引き起こすことがあります。
特に、RSウイルスなど特定のウイルスによる感染症は、気道の炎症が強く、強い喘鳴を伴うことがあります。これらの感染症が原因の場合は、原因となる病原体に対する治療や、対症療法を行うことで症状が改善します。

心不全(心臓の病気)

呼吸器の病気ではありませんが、心不全によって肺に水が溜まる(肺うっ血)ことでも、喘鳴に似た呼吸音や息苦しさが生じることがあります。
これは心臓のポンプ機能が低下し、血液の流れが滞るために肺内を走行する血管から肺自体に水分が滲み出すために起こります。特に夜間に横になると息苦しさが増し、ゼーゼー音が聞こえるのが特徴です。
呼吸器の病気と誤診されやすいため、正確な診断のためには、心臓の状態を評価するための検査も必要となる場合があります。

呼吸がゼーゼーするときの検査

呼吸がゼーゼーする(喘鳴)原因を正確に特定するためには、患者さんの症状や背景に応じた適切な検査が必要です。
磐田市のおざわ・診療所では、以下のような検査を通じて、診断を確定し治療方針を決定します。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

喘鳴の原因が喘息やCOPDなどの気道の病気であるかを判断する上で、最も重要な検査の一つが呼吸機能検査(スパイロメトリー)です。
これは、測定器に向かって息を思い切り吸ったり吐いたりすることで、肺活量や息を吐き出す速さ(一秒量など)を測定する検査です。
気道の狭窄がある場合、特に息を吐き出す速さが低下することが確認でき、喘息やCOPDの診断、重症度評価に不可欠な情報を提供します。

レントゲン検査

胸部X線検査(レントゲン)は、肺の状態を広くスクリーニングするための基本的な画像検査です。
肺炎や気管支拡張症、肺がんなどの病変がないか、また心不全による肺うっ血のサインがないかなどを確認します。

血液検査とアレルギー検査

喘鳴の原因が感染症によるものか、あるいはアレルギー性の喘息によるものかを鑑別するために、血液検査を行うことがあります。
血液中の炎症反応を示す数値や、アレルギー反応の程度(好酸球数)、アレルギーの原因物質(アレルゲン)に対する抗体(IgE抗体)の値を測定することで、診断の手がかりを得ます。
特に気管支喘息が疑われる場合は、どのようなアレルゲンが関与しているかを知ることが、生活環境の改善や治療方針の決定に役立ちます。

呼気NO(一酸化窒素)検査

気道の炎症の程度を簡便に測定できる呼気NO(一酸化窒素)検査も、喘息の診断や治療効果の判定に広く用いられています。
この検査は、息を吐き出すだけで測定でき、特にアレルギー性の気道炎症がある場合に呼気中のNO濃度が上昇することが知られています。
非侵襲的で患者さんの負担が少ないため、小児の喘息の診断などにも有効です。
おざわ・診療所では、これらの検査を適切に組み合わせて、正確な診断を迅速に行います。

呼吸がゼーゼーする(喘鳴)という症状は、放置すると呼吸困難などの重篤な状態につながる可能性があるため、早期の診断と治療が非常に重要です。

特に磐田市や浜北・天竜地域・袋井市などの皆さまで、この症状にお悩みの方は、呼吸器内科を専門とする当おざわ・診療所までご相談ください。