COPD~慢性閉塞性肺疾患~
「最近、少し動くと息切れがする」
「咳や痰がずっと続いている」
「もしかして、タバコのせい?」
このような症状に心当たりがあるなら、それはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)かもしれません。
COPDは、タバコなどの有害物質を長期間吸い込むことで、肺や気管支に炎症が起こり、呼吸機能が低下する病気です。
「咳や痰がずっと続いている」
「もしかして、タバコのせい?」
このような症状に心当たりがあるなら、それはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)かもしれません。
COPDは、タバコなどの有害物質を長期間吸い込むことで、肺や気管支に炎症が起こり、呼吸機能が低下する病気です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは
COPD、正式名称「慢性閉塞性肺疾患」は、かつて「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気をまとめた総称です。
主な原因は喫煙で、長年の喫煙習慣によって肺の奥にある小さな袋(肺胞)が壊れたり、気管支が狭くなったりして、空気の出し入れがうまくいかなくなる病気です。
主な原因は喫煙で、長年の喫煙習慣によって肺の奥にある小さな袋(肺胞)が壊れたり、気管支が狭くなったりして、空気の出し入れがうまくいかなくなる病気です。
COPDはどんな病気?
COPDは、肺の生活習慣病とも言われ、初期には自覚症状が少ないのが特徴です。そのため、気づかないうちに病気が進行してしまうケースも少なくありません。空気の通り道である気道が慢性的に炎症を起こし、肺胞が破壊されることで、酸素と二酸化炭素の交換効率が悪くなり、息切れなどの症状が現れます。
喫煙だけでなく、受動喫煙や大気汚染、PM2.5なども発症のリスクを高めるとされています。特に、長期間にわたる喫煙習慣がある方は、COPD発症のリスクが非常に高いため注意が必要です。
喫煙だけでなく、受動喫煙や大気汚染、PM2.5なども発症のリスクを高めるとされています。特に、長期間にわたる喫煙習慣がある方は、COPD発症のリスクが非常に高いため注意が必要です。
肺気腫と慢性気管支炎について
COPDは、主に「肺気腫」と「慢性気管支炎」の2つのタイプに分けられます。肺気腫は、肺の奥にある肺胞が破壊され、肺全体がスカスカになることで、空気の交換が効率的に行えなくなる状態です。
一方、慢性気管支炎は、気管支の内側が慢性的に炎症を起こし、痰が増えたり、気管支が狭くなったりする病態を指します。
多くのCOPD患者さんでは、これら両方の病態が合併していることがほとんどです。
一方、慢性気管支炎は、気管支の内側が慢性的に炎症を起こし、痰が増えたり、気管支が狭くなったりする病態を指します。
多くのCOPD患者さんでは、これら両方の病態が合併していることがほとんどです。
COPDと気管支喘息の違い
COPDと気管支喘息は、どちらも呼吸器の病気であり、咳や息切れといった似た症状が現れるため混同されがちです。
しかし、この二つの病気には違いがあります。
気管支喘息は、気道が様々な刺激に過敏に反応し、発作的に気道が狭くなる病気で、発作がない時は比較的症状が落ち着いていることが多いです。アレルギーが関与していることが多く、若年層から高齢者まで幅広い年代で発症します。
一方、COPDは、主に喫煙によって引き起こされ、進行性で一度ダメージを受けた肺は元に戻らないことが特徴です。慢性的な炎症が持続し、徐々に呼吸機能が低下していきます。
しかし、この二つの病気には違いがあります。
気管支喘息は、気道が様々な刺激に過敏に反応し、発作的に気道が狭くなる病気で、発作がない時は比較的症状が落ち着いていることが多いです。アレルギーが関与していることが多く、若年層から高齢者まで幅広い年代で発症します。
一方、COPDは、主に喫煙によって引き起こされ、進行性で一度ダメージを受けた肺は元に戻らないことが特徴です。慢性的な炎症が持続し、徐々に呼吸機能が低下していきます。
ACO(喘息・COPDオーバーラップ)に関して
ACOは、喘息とCOPDの特徴を併せ持つ疾患概念です。
COPDの方に気管支喘息の2型炎症も認められる場合にACOを考えます。したがって、治療はどちらか片方ではなく、両方を考慮した治療を行います。
COPDの方に気管支喘息の2型炎症も認められる場合にACOを考えます。したがって、治療はどちらか片方ではなく、両方を考慮した治療を行います。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状
COPDの症状は、初期にはほとんど自覚がないか、軽く見過ごされがちです。
しかし、病気が進行するにつれて、日常生活に支障をきたすほどの症状が現れてきます。
しかし、病気が進行するにつれて、日常生活に支障をきたすほどの症状が現れてきます。
長引く咳や痰
COPDの代表的な初期症状の一つが、長引く咳や痰です。特に、朝起きた時や喫煙後に「コンコン」という乾いた咳が出たり、透明や白色の痰が絡むといった症状が見られます。
これらの症状は、喫煙者によく見られる「ヤニ切れの咳」などと誤解されがちですが、COPDのサインである可能性が高いです。放置すると症状は悪化し、日常生活にも影響が出始めることがあります。
これらの症状は、喫煙者によく見られる「ヤニ切れの咳」などと誤解されがちですが、COPDのサインである可能性が高いです。放置すると症状は悪化し、日常生活にも影響が出始めることがあります。
労作時の息切れ
COPDが進行すると、階段を上ったり、坂道を歩いたりといった軽い運動でも息切れを感じるようになります。さらに病気が進むと、着替えや入浴といった日常の動作でも息苦しさを感じるようになり、ひどい場合には安静にしていても息苦しさを覚えるようになります。
このような「労作時の息切れ」は、COPDに特徴的な症状であり、生活の質を著しく低下させる要因となります。磐田市内に限らず、浜北、天竜区などの方で、最近息切れが気になるという方は、ぜひ一度ご相談ください。
このような「労作時の息切れ」は、COPDに特徴的な症状であり、生活の質を著しく低下させる要因となります。磐田市内に限らず、浜北、天竜区などの方で、最近息切れが気になるという方は、ぜひ一度ご相談ください。
喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)
気管支が狭くなることで、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が聞こえることがあります。これは「喘鳴」と呼ばれ、気管支喘息でもよく見られる症状です。COPDの場合も、特に病状が悪化している時に喘鳴が顕著になることがあります。このような呼吸音が気になる場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。
症状の悪化(増悪)
COPDは、風邪やインフルエンザなどの感染症をきっかけに、急激に症状が悪化する「増悪」を起こすことがあります。増悪時には、息切れがひどくなったり、咳や痰が増えたり、痰の色が変化したりします。増悪を繰り返すと、肺機能がさらに低下し、入院が必要になることもあります。日頃から吸入治療を行うことや、体調管理に気をつけ、感染症の予防を徹底することが重要です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査
COPDは、早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。しかし、自覚症状が出にくい初期段階では、ご自身で気づくのは難しいかもしれません。
当院では、呼吸器内科専門医によるCOPDの診断、治療を行います。
当院では、呼吸器内科専門医によるCOPDの診断、治療を行います。
問診と診察
まずは、患者様の喫煙歴、咳や痰、息切れなどの症状について詳しくお伺いします。いつから、どのような症状があるのか、症状が悪化する要因などをお聞きし、COPDの可能性を探ります。また、聴診器を使って肺の音を確認し、呼吸の状態を診察します。
肺機能検査(スパイロメトリー)
COPDの診断に最も重要な検査が、肺機能検査、特にスパイロメトリーです。
スパイロメトリーとは、マウスピースをくわえて思い切り息を吸ったり吐いたりすることで、肺の空気の出し入れの能力を測定する検査です。この検査によって、気道がどれくらい狭くなっているか、肺の空気の出し入れがどれくらい制限されているかを客観的に評価できます。痛みもなく、短時間で終わる検査ですのでご安心ください。
スパイロメトリーとは、マウスピースをくわえて思い切り息を吸ったり吐いたりすることで、肺の空気の出し入れの能力を測定する検査です。この検査によって、気道がどれくらい狭くなっているか、肺の空気の出し入れがどれくらい制限されているかを客観的に評価できます。痛みもなく、短時間で終わる検査ですのでご安心ください。
胸部X線検査
胸部X線検査は、肺の異常を大まかに確認するために行われます。
肺気腫による肺の過膨張(膨らみすぎ)や、心臓の大きさなどを確認することができます。
肺気腫による肺の過膨張(膨らみすぎ)や、心臓の大きさなどを確認することができます。
血液検査
血液検査は、COPDそのものを診断するものではありませんが、ACOの可能性や、合併症の有無、炎症の程度などを確認するために行います。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療
COPDは、一度ダメージを受けた肺を完全に元に戻すことは難しい病気ですが、適切な治療を行うことで症状の進行を遅らせ、生活の質を維持・改善することが可能です。
当院では、呼吸器内科専門医が、患者様一人ひとりの症状や重症度に合わせて、専門的な治療を行います。
当院では、呼吸器内科専門医が、患者様一人ひとりの症状や重症度に合わせて、専門的な治療を行います。
禁煙
COPDの治療において、最も重要で根本的なのが禁煙です。喫煙を続ける限り、COPDは確実に悪化していきます。
禁煙することで、肺機能の低下スピードを緩やかにし、症状の改善や増悪の予防に繋がります。
禁煙することで、肺機能の低下スピードを緩やかにし、症状の改善や増悪の予防に繋がります。
薬物療法
COPDの症状を和らげ、呼吸を楽にするために薬物療法が行われます。主に、気管支を広げる作用のある気管支拡張薬が使用されます。吸入薬が中心となり、毎日定期的に使用することで、空気の通り道を広げ、息切れを軽減します。その他、炎症を抑えるステロイド吸入薬や、痰を出しやすくする去痰薬などが用いられることもあります。これらの薬は症状の改善だけでなく、増悪の予防にも役立ちます。
その他の治療・合併症対策
インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種は、COPDの増悪予防に非常に重要です。また、COPDの患者さんは、肺がんや心臓病や骨粗しょう症、糖尿病などの合併症を発症しやすい傾向があります。そのため、COPDの治療と並行して、これらの合併症の早期発見と治療も重要となります。当院では、COPDだけでなく、全身の状態を総合的に診て、患者さんの健康をサポートいたします。